鹿児島県出水(いずみ)市のアパートで、4歳の女児が同居する男に殴られた事件で、女児を計4回保護した県警が児童相談所に対し、一時保護の必要性を通告したが、児相が保護に踏み切らなかったことがわかった。たびたび深夜帯に保護されたり、複数のあざが確認されたりしていたことも判明。居住地だった同県薩摩川内、出水の両市も虐待と認識していなかったという。
この事件では、出水市明神町の建設作業員、日渡駿容疑者(21)が8月27日夜、大塚璃愛來(りあら)ちゃん(4)の頭部を殴ったとして、31日に暴行容疑で逮捕された。璃愛來ちゃんは28日に死亡した。日渡容疑者は璃愛來ちゃんの20代の母親と交際し、3人で生活していた。
璃愛來ちゃんが同市の前に住んでいた薩摩川内市などによれば、3月16日、県中央児童相談所(児相)に虐待を思わせる動画を見たとの匿名通報があった。18、19の両日、児相や市職員、警察官が自宅を訪ねたが虐待を疑わせる痕はなく、動画も確認できなかった。
直後の3月22、28、29、4月2日の計4回、璃愛來ちゃんは自宅近くの路上や駐車場で一人でいたところを発見され、薩摩川内署に保護された。時間帯は午後8時50分~午後11時で、うち3回は午後10時20分以降だった。同署が計4回保護し、児相に「親への指導の必要性がある」「一時保護の必要性がある」などと2回通告。保護の際、太ももに約2センチの薄いあざを確認したが虐待と判断せず、児相も保護しなかったという。
3人が暮らしていた出水市によると、7月22日、璃愛來ちゃんは自宅のテーブルで頭部を打ったとして嘔吐(おうと)の症状を訴え救急外来を受診。8月5日には別の病院で顔などに複数の青あざが確認された。保健師らが暴行事件前日の同26日に自宅を訪ね、母親と璃愛來ちゃんに面談したが、顔や頭部といった外見上だけを見て虐待を疑わせる異常はないと判断した。
璃愛來ちゃんは薩摩川内市内の…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル